教授から英語の論文を渡されるといつもこんな悩みを抱えていました。研究室で論文を参考にする機会は多いですが、意外と論文の読み方を教えてくれる授業はありません。
論文は読み進め方にはコツがあるので、英語の論文なんて読めねぇ!と悩んでいた方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
英語の論文を読むには、英語が苦手で構わない
英語の論文を読む際、英語は苦手で全く問題ありません。
なぜならば英語の論文を読む際に重要なのは、「英語力」よりも「論文の型に沿った読み方」だからです。
実は論文には、実験方法、結果、結論、考察などといった段落分けがされています。ただ英語の論文の場合、段落分けの順番が日本人の感覚とは少しずれているため、それを知らずに読むと何が何だか分からなくなってしまうのです。論文の流れを知れば、欲しい情報をピンポイントで探せるようになります。(詳しいことは次の章でお話しますね。)
また、英語力についてはGoogleの自動翻訳機能を用いて読めば問題ありません。
論文は正しい文法事項を用いて書かれているため、Google翻訳でも結構きれいな日本語に翻訳できます。専門用語に関しては上手く訳せないこともありますが、それに関しては英語が得意でもどちらにせよ読めないのでその都度調べればOKです。
従って、英語力よりもまずは論文の流れを知ることから始めましょう。
英語の論文の型を知る
英語の論文は以下のような型に当てはめて作られています。
- Abstract (要約)
- Introduction (導入)
- Results (実験結果)
- Discussion (議論・考察)
- Conclusion (結論)
- Method (実験方法)
- References (参考文献)
個人的には必ず読む段落を太字で示しています。
Abstract(要約)、Introduction(導入)、Conclusion(結論)を読むことで、その論文の流れを整理できます。
他の段落については、自分が知りたい情報に合わせてピックアップしながら読むイメージです。全てを読む必要は無いので安心してください。
それぞれの段落について、もう少し詳しく見ていきましょう。
Abstract(要約)-論文の内容を掴もう
Abstract(要約)は、まず一番はじめに読みましょう。
ここを読むことで論文全体の流れを知ることが出来ます。また短い文章の割に情報が詰まっているので、読み得って感じがしますね。
大まかな論文の内容が掴めたら、次は導入と結論を読みましょう。
Introduction(導入)&Conclusion(結論)ー「既知の事実」と「新たな事実」を区別しよう
Introduction(導入)からは「既知の事実」を、Conclusion(結論)からは「新たな事実」を読み取ることができます。
論文を読む際の意識として、今までに解明されてきた「既知の事実」と、今回の論文で発見された「新たな事実」をしっかりと区別することは重要です。論文の始まりと終わりが分かっていれば、スムーズに論文を読み進められそうですよね。
特にConclusion(結論)を頭に入れておくと、実験結果とつじつまが合い理解しやすくなるのでオススメです。
Results (実験結果)、Discussion (議論・考察)、Method (実験方法)ー自分が知りたい情報を明確にしてから読もう
論文の概要を理解した後は、自分が知りたい情報を明確にしましょう。具体的には以下のような例が挙げられます。
- 実験結果のグラフの示し方が知りたい⇒Results (実験結果)
- 論文の今後の展望やより深い内容を知りたい⇒Discussion (議論・考察)
- 似たような実験をしたいため詳しい手順や条件を知りたい⇒Method (実験方法)
このように自分が知りたい情報を明確にし、関連しそうな段落から読んでみると楽かなと思います。論文全文を読むのは誰でも大変です。必要な情報のみを探し出す感覚で読むのがポイントとなります。
まとめ
- Googleの自動翻訳機能を利用する。
- Abstract(要約)、Introduction(導入)、Conclusion(結論)から、論文の流れを整理する。
- その後自分が知りたい情報を明確にし、それだけを拾い集めるように読む。
自分も英語の論文にはいつも苦労していたので、悩んでいた方の少しでも力になれていれば嬉しいです。