CBTは、薬学生が実務実習に行くために合格しなければならない試験です。時期としては4年生の冬頃(12-1月)に実施され、真面目に勉強すれば合格できるようなテストになっています。しかし、過去問が公開されていないためどのように対策すればよいか悩ましいところ。
本記事では一例として、2ヶ月を目安としたCBTの勉強法と実際に使用した参考書をご紹介します。
この記事と国試の経験から、具体的に勉強する範囲をまとめた記事を作りました!
薬学部CBTの出題範囲・合格基準
CBTの出題範囲と問題数、合格基準は以下の通りです。
ゾーン1 ゾーン2 ゾーン3 物理系薬学
30題医療薬学[薬理・薬物治療系]
60題基本事項
10題化学系薬学
35題医療薬学[情報系]
15題薬学と社会
20題生物系薬学
35題医療薬学[薬剤系]
35題衛生薬学
40題薬学臨床
30題合計
100題合計
110題合計
100題現在の合格基準は、310題中186題(60%)以上正解することです。ゾーンごとの足切り点はありません。
引用元:薬学共用試験センター
ゾーン1~3と3つに分類されており、全部で310題、そのうち6割取れれば合格という試験となっています。注目すべきポイントは、ゾーンごとに足切りが存在しないことです。
例えば、ゾーン1,2で186問正答すれば、ゾーン3では1問も正解しなくても合格できます。つまり、ゾーンの区分は気にせず、問題数の多い範囲から対策するべきですよね。これを知らずにゾーン1から順に勉強していると、非常に効率が悪いです。
比較的問題数の多い薬理(60問)や衛生(40問)あたりから勉強するのが賢いやり方でしょう。この考え方を軸に2か月分の勉強スケジュールを立てていきます。
薬学部CBTの勉強法~2か月分の勉強スケジュール~
2ヶ月でCBTを対策する勉強スケジュールは以下の通りです。
頻出分野/出題数/ゾーン | 対策する日程 |
医療薬学[薬理・薬物治療系] 60題/ゾーン2 | 2週間 |
衛生薬学 40題/ゾーン3 | 1週間 |
化学系薬学 35題/ゾーン1 | 1週間 |
生物系薬学 35題/ゾーン1 | 1週間 |
医療薬学[薬剤系] 35題/ゾーン2 | 1週間 |
物理系薬学 30題/ゾーン1 | 1週間 |
薬学臨床 30題/ゾーン3 | 1週間 |
合計 265題 | 合計 8週間 |
考え方は単純で、出題数の多い分野から順に学習するスケジュールとなっています。
また、問題数の少ない「医療薬学[情報系] 15題/ゾーン2」「基本事項 10題/ゾーン3」「薬学と社会 20題/ゾーン3」は、あえて勉強しないスケジュールとなっています。理由としては、すべての分野を中途半端に勉強するよりも、頻出の分野を確実に押さえる方が点数に結び付きやすいからです。
出題数数の少ない分野については余裕があれば学習するくらいの心持ちでいましょう。
薬学部CBTまで1ヶ月しかない場合
この記事を見つけた段階で「1ヶ月しかない、やべぇ・・・」なんておっちょこちょいさんもいるかもしれません。
そんな方も大丈夫です。かなり大変そうでしたが、1ヶ月程度で合格した友人もいました。
覚悟を決めて1ヶ月みっちり勉強しましょう。自分だったらここをやるかなという範囲を厳選してみました。
頻出分野/出題数/ゾーン | 対策する日程 |
医療薬学[薬理・薬物治療系] 60題/ゾーン2 | 10日 |
衛生薬学 40題/ゾーン3 | 6日 |
医療薬学[薬剤系] 35題/ゾーン2 | 4日 |
生物系薬学 35題/ゾーン1 | 4日 |
化学系薬学 35題/ゾーン1 | 4日 |
合計 205題 | 合計 28日(4週間) |
薬理・薬物治療、衛生は、何とかやってみてください。得点源です。
薬剤、生物、化学に関してはできる限りで大丈夫です。特に化学が苦手な場合は、他の科目に力を注いでも大丈夫です。時間がないためコスパよく勉強しましょう。
CBT対策用参考書
コアカリマスター、コアカリ重点ポイント集
CBT対策用の問題集は、大学で購入するコアカリマスターで問題ないです。また、その問題集に対応した参考書として「コアカリ重点ポイント集」もあればなおさら良いでしょう。
コアカリマスター、コアカリ重点ポイント集を用いた勉強法
まずは「コアカリマスター」をゴリゴリ解きすすめ、解説を読んでも分からない場合は「コアカリ重点ポイント集」で調べていました。
コアカリマスターは、解説に加えて暗記すべきポイントも表でまとめてくれているので、演習しながら足りない知識を補うことができます。
ちなみに先ほどの2か月のスケジュールをコアカリマスターと照らし合わせると、こんな感じです。コアカリマスター使用者は参考にしてみてください。
頻出分野/出題数/ゾーン | コアカリマスター | 日程 |
医療薬学[薬理・薬物治療系] 60題/ゾーン2 | vol.2/E1 薬の作用と体の変化 E2 薬理・病態・薬物治療 | 2週間 |
衛生薬学 40題/ゾーン3 | vol.3/D1 健康、D2環境 | 1週間 |
化学系薬学 35題/ゾーン1 | vol.1/C3 化学物質の性質と反応 C4 生体分子・医薬品の化学による理解 C5 自然が生み出す薬物 | 1週間 |
生物系薬学 35題/ゾーン1 | vol.1/C6 生命現象の基礎 C7 人体の成り立ちと生体機能の調節 C8 生体防御と微生物 | 1週間 |
医療薬学[薬剤系] 35題/ゾーン2 | vol.2/E4 薬の生体内運命 E5 製剤化のサイエンス | 1週間 |
物理系薬学 30題/ゾーン1 | vol.1/C1 物質の物理的性質 C2 化学物質の性質 | 1週間 |
薬学臨床 30題/ゾーン3 | vol.3/F 薬学臨床 | 1週間 |
合計 265題 |
| 合計 8週間 |
薬がみえる
CBTで最も頻出な分野は薬理、薬治ですが、これらの分野は作用機序の理解がポイントです。
「薬がみえる」は、薬の分類や作用機序を豊富なイラストで解説している参考書で、CBTに限らず薬学生の学習に役立ちます。
まとめ
CBTの頻出分野を「コアカリマスター」や「薬がみえる」で重点的に学習する勉強スケジュールをご紹介しました。
勉強方法は人それぞれですが、「こんな感じで勉強した人もいたんだな」と参考にしてもらえれば嬉しいです。また、各大学で夏頃実施される「CBT体験模試」で苦手な分野があれば、そこから学習するのもオススメです。
CBTはしっかりと対策すれば合格できるので、あまり不安になりすぎず気楽に取り組みましょう。
さらに具体的に勉強する範囲と順番を絞った記事はこちら!
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