今回はmRNAやtRNAなどといった、~RNAの働きをまとめました。
RNAとは
RNA(ribonucleic acid)とは、リボヌクレオチドが繋がってできた核酸です。
そう言われても、「リボヌクレオチド」とか「核酸」自体がピンとこないんだよね~
まず、核酸の基本的な構造についておさらいしてみましょう。
核酸は、「リン+糖+塩基」というセットがいくつも集まって鎖のように連なった構造をしています。
この「リン+糖+塩基」という基本構造をヌクレオチドと言います。
ヌクレオチドは、糖部分によって以下の2種類に分類されます。
- リボヌクレオチド:糖がリボース(5炭糖)
- デオシキリボヌクレオチド:糖がデオシキリボース
ヌクレオチドが2種類あることで、ヌクレオチドが繋がってできる核酸も以下のように2つに分類できます。
- RNA:リボヌクレオチドを基本構造とする核酸
- DNA:デオシキリボヌクレオチドを基本構造とする核酸
なるほど!RNAの構造は理解できたよ!
また、RNAは生体内で様々な働きを持ち、その役割ごとにmRNA、tRNAなどと名前が分かれています。
薬学部で習うRNAとして、以下の4つの働きを見ておきましょう。
- mRNA
- tRNA
- rRNA
- siRNA
mRNA(メッセンジャーRNA)
mRNAとは、タンパク質のアミノ酸情報をもつRNAです。
DNAからタンパク質は以下の流れで産生されます。
DNAからmRNAへとアミノ酸情報として塩基配列を写しとり(転写)、
mRNA上の情報を読み取ることでタンパク質が産生されます。(翻訳)
tRNA(トランスファーRNA)
tRNAとは、翻訳の際アミノ酸を運んでくるRNAです。
mRNA上の塩基配列に対応したアミノ酸をtRNAが運ぶ、ということを繰り返し、
複数のアミノ酸が繋がることでタンパク質が形成されます。
rRNA(リボソームRNA)
rRNAとは、リボソームを構成するRNAです。
リボソームは、rRNAとタンパク質で構成されており、タンパク質合成を行う足場になっています。
tRNAとrRNAはどちらも翻訳に関わってけど、どう違うの?
翻訳時の働きを簡単に区別すると以下のようになります。
rRNA:リボソームの構成成分。リボソームはmRNAとtRNAが出会う場所を提供する。
siRNA(低分子干渉RNA)
siRNAとは、短いRNA鎖で、mRNAの分解など翻訳を抑制する働きがあります。
mRNA、tRNA、rRNAがタンパク質を増やす方向に働くと考えた場合、
siRNAはそのタンパク質合成を減らすことで調整をしているイメージを持てれば十分です。
また、siRNAは実験などで特定の遺伝子発現を抑えたい場合(ノックダウン)にも用いられます。
まとめ
- RNAとは、リボヌクレオチドを基本構造とした核酸。
- mRNAは、DNAから転写した塩基配列(アミノ酸情報)をもつRNA。
- tRNAは、mRNAの塩基配列を基にアミノ酸を運搬するRNA。
- rRNAは、リボソームの構造成分として、翻訳時mRNAとtRNAの足場となるRNA。
- siRNAは、mRNAの分解など翻訳を抑制するRNA。
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