有機化学が苦手だとこんな悩みがつきものですよね。実は化学が苦手な薬学生って結構います。私も大の化学嫌いでした。
しかし、薬剤師にとって化学系の知識は、医療従事者の中で差別化を測るための大きな要素となっています。国試にももちろん出題されるため、有機化学とはどこかのタイミングでお近づきになりたいところ。
ということで、有機化学が苦手な私が、化学が苦手な主な原因とその対処法について紹介しますのでぜひ参考にしてみて下さい。
※有機化学の知識って薬剤師に必要なの?
そもそも大学で習う有機化学が、将来役に立つのか疑問に感じている方も多いと思います。私も大学の有機化学は嫌いでしたが、構造式をみて薬理作用や排泄経路などが分かれば便利だなとは思っていました。そんな方には以下の本がオススメです。(高校化学までの知識で読めます、というか絵がかわいい)
原因1:単語が難しくて文章が読めない
有機化学でよく出てくる単語は、自分の言葉で置き換えながら理解することをオススメします。
理由としては、単語さえ理解できてしまえば一見難しい文章も、内容自体は簡単なことが多いからです。
例えば、「求核試薬」という言葉を聞いてパッと意味が理解できますか?
- 試薬自身の電荷は-に偏っている
- 攻撃する先は+に偏っている
上記のようなイメージが出来た方は問題ないと思います。 化学が苦手な人ほど、このような基本的な単語をサーッと読み飛ばしているように感じます。その結果、教科書を読んでも知らない言葉の羅列で理解できない…という状況に陥ります。(私がそうでした。笑)
先ほど例として挙げた「求核」という言葉も、「マイナス」と言い換えると簡単になりますよね。始めのうちは大変ですが、ある程度慣れると呪文のようだった文章が少しずつ読めるようになります。よく出てくる単語に関しては、見かける度に調べて意味を噛み砕いて理解しておきましょう。
また知らない単語を調べる際は、「○○○ 薬学」というように検索すると薬学生向けに書かれた記事が出てくるのでオススメです。
原因2:反応機構が複雑でどこから見ればよいか分からない
反応機構を学習する場合は、まず反応のスタートとゴールを確認しましょう。
理由としては、先に反応で変化した部分を知ることで、途中経過がどんなに長くても反応の目的を見失うことがなくなるからです。
反応前と反応後の生成物を比べると、どの部分が変化したか分かります。(ex.OH基が付加されている、エステルがアミドになっている。など)その変化こそが反応の目的となります。反応の目的を頭に入れてから反応機構を追うと、つじつまを合わせるように反応が進むので理解しやすくなります。
また複雑な反応機構に関しては、個人的には完全に理解する必要は無いと考えています。
なぜならば、よく分からないまま反応機構を書けるまで練習するより、大切なポイントのみを確実に覚える方が勉強になるからです。
具体的には、「反応のスタートとゴール」、「反応の目的」、+αとして「加える試薬」、この辺りが覚えられれば十分です。反応機構はそれらを結びつけて覚えるための補足情報くらいに捉えておきましょう。
定期試験対策として覚えなければならない場合も、まずは反応のスタートとゴールを押さえることをオススメします。
まとめ
単語が難しくて文章が読めない場合
有機化学は単語が難しいだけで書いてある内容自体は見た目ほど難しくない!よく出てくる単語に関しては、見かける度に調べて意味を噛み砕いて理解する。
反応機構が複雑で分からない場合
まずは反応のスタートとゴールを確認して、反応の変化を押さえる。その変化とつじつまを合わせるように途中経過を追う。
有機化学は慣れてしまえば、見た目ほど難しくない教科です。(化学が嫌いな私が言うのだから間違いないと思います。)
上述した2つのポイントを押さえて、ぜひ克服してもらえればなと思います。