「ワルファリン」は薬学部でよく耳にする薬です。
知らない、あるいは忘れた方は、この記事でさくっと整理しておきましょう。
ワルファリンとは
ワルファリンは、血栓ができるのを防ぐために使われる抗凝固薬です。
慢性的な血栓塞栓症の治療、予防に用いられます。
また、ビタミンKと類似した構造を持つのが特徴です。
ワルファリンは血液をサラサラにしてくれるんだね!
血栓ができる仕組み
血栓は、傷ついた血管からの出血を止めるために形成されます。
止血は、まず血小板を用いた一次止血、次にフィブリンを用いた二次止血という順に行われます。
二次止血に用いられるフィブリンは、フィブリノーゲンという前駆体から作られます。
また、フィブリノーゲンからフィブリンへの変化には、血液凝固因子が必要になります。
血栓を作るためにはフィブリンが、
フィブリンを作るためには血液凝固因子が必要なんだね!
ビタミンKの働き
ビタミンKは、血液凝固因子(第Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ、Ⅱ因子)を活性化する働きを持ちます。
それぞれの凝固因子の前駆体はグルタミン酸残基をもち、ビタミンKがその残基をカルボキシル化することで活性化させます。
ビタミンKは血液凝固因子を活性化させて、血栓を作るのに役立つんだね!
ワルファリンの作用機序
ワルファリンはビタミンKと類似した構造をしています。
そのためビタミンKと拮抗し、ビタミンK依存性凝固因子の活性化を阻害します。
血液凝固因子が減ることで、フィブリンの産生も減り、血栓が形成されにくくなります。
ワルファリン服用時は、ビタミンKを多く含む食品(納豆など)は摂取を控えよう!
まとめ
ワルファリンは、血液をサラサラにする抗凝固薬。
ビタミンKは、血液凝固因子(第Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ、Ⅱ因子)を活性化し、血栓の形成を促進する。
ワルファリンはビタミンKと類似した構造を持つため、ビタミンKと拮抗し、血栓の形成を抑制する。
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